巨大宇宙船に5000人以上を乗せ、120年の旅に出た未来。人間は冬眠状態になり、長い旅の終わりごろに目覚めることになっているが、残り90年を残し、ジム(クリス・プラット)と、オーロラ(ジェニファー・ローレンス)が目覚めてしまった。残り90年。再び冬眠状態になれなければ、宇宙船内で寿命を迎えてしまう。ジムはエンジニアで、機械の修理なら大得意。修理だけじゃなく、オブジェだって指輪だって作れるロマンチックな理系男子だ。

 宇宙での生き残りをかける作品としては、最近ではマット・デイモン主演「オデッセイ」が思い浮かぶ。デイモンが演じた植物学者は知識を生かして火星でジャガイモを栽培した。これには拍手喝采だった。

 当作を見て強く思ったのは、いつか、こんなトラブルがあった時のために、やっぱり理系は強い、ということ。しかも強靱(きょうじん)なまでのあきらめない気持ちに裏打ちされた理系は、最強だということが分かった。

 それにしても、トラブル対応策が全くない宇宙船なんて危機感なさすぎ! 複数の乗員が数年交代で目覚める→また冬眠に入る、ことを提案します。【小林千穂】

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