東京進出することで話題の養殖魚専門店「近畿大学水産研究所

 銀座店」が、12月4日のオープンを前に報道関係者に公開された。世界初の完全養殖クロマグロとして人気ブランドになっている「近大マグロ」が提供され、大阪店は連日行列が絶えない人気となっている。

 店内では、看板メニューの「近大マグロと選抜鮮魚のお造り盛り」(各3貫、2800円)のほか、「近大クエ鍋」「平目の薄造り」など幅広いラインアップがお披露目された。うわさの近大マグロは分厚く切られ、柔らかくてコクがあり、食べやすい。試食エリアからは「おいしい」「びっくり」「高級な本マグロとかわらない」など、感激の声が聞かれた。

 店舗は銀座の繁華街のコリドー街にあり、全57席。広々としたテーブルと、モノトーンを基調にした落ち着いた空間だ。

 近大マグロとは、近大が養成したクロマグロ(本マグロ)のこと。02年に世界で初めて完全養殖に成功した。店舗では、近大マグロのほか、近大水産研究所が育てたマダイ、シマアジ、ブリ、ヒラメ、カンパチ、クエなどの養殖魚が提供される。魚以外も、しょうゆ、みそ、ウメ、酒類など和歌山県産の食材に特化している。

 鮮魚市場の築地はすぐ隣。目と鼻の先で養殖魚専門店を出店することについて、近大大島事業所の岡田貴彦氏は「大阪でたいへん人気をいただいているので、銀座で勝負することにしました。築地がすぐそことあって、非常に緊張感をもって臨んでいます。打倒天然です」。長年の研究による完全養殖の味に自信を持っており「親の親、その親まで履歴が分かり、どんなエサを食べて育ったかも分かる品質が自慢。近大マグロのおいしさを、ぜひ東京の皆さんにも味わっていただきたい」と話している。