歌手山川豊(56)が25日、この日発売の新曲「蛍子(けいこ)」の発売記念として、東京・渋谷でカラオケスナック「蛍子」を1日限定でオープンした。

 1981年(昭56)に「函館本線」でデビューした直後は、カラオケスナックやキャバレーなどをキャンペーンで何度も回った。美容院やパチンコ店などにも、飛び込みで「歌わせてください」と懇願したという。その積み重ねが「アメリカ橋」などのヒットに結びついてきた。

 「お客さんが3人しかいないところで歌唱したことも何度もあった。後で手紙をいただくと、その人の顔をはっきりと思い出せた」と振り返った。警察署の隣で歌唱して事情聴取されたこともあるという。「それほど必死でした。無我夢中で寝る暇もなかった」。

 「蛍子」は久しぶりの本格演歌。「この文字は、なかなか『けいこ』とは読めない。多くの人に『けいこ』と読んでもらえるように頑張ります。そこまでいけば本物です」。来年は35周年の節目。「この曲をヒットに結びつけたい」と力を込めた。

 7月2日から水森かおりと2人座長で明治座公演が決まっている。芝居とコンサートの2部構成。「お芝居の台本はありません。せりふを覚えられないのもありますが、アドリブの方が面白いから。気軽に楽しんで欲しい」とアピールした。