先日、日本人俳優の渡辺謙(55)が、トニー賞の主演男優賞にノミネートされたことは記憶に新しい。しかし、現在でもハリウッドで活躍しているアジア人は少ないよう。果たして、今もハリウッドに人種差別の風潮は残っているのだろうか?

 まず、アワードでの受賞者の人種の偏りが問題となっている。現地時間6月7日に行われた、演劇とミュージカルの祭典「トニー賞」。渡辺謙も惜しくも受賞を逃してしまったが、他にもほとんどの白人以外の俳優陣が受賞を逃している。演劇部門にノミネートされたマイノリティーとして、アジア人、ヒスパニック、黒人がいたが、20人いた受賞者のなかで白人以外だったのは2名だけであった。

 演劇界だけではなく、映画界でも人種問題が議論を呼んでいる。現地時間2月22日に行われたアカデミー賞では、受賞者の人種の偏りが目立った。あまりにも白人が多かったために、「#OscarsSoWhite(オスカー賞は白人ばっかり)」がTwitterのトレンドワードになったほど。なぜこのような事態が起こるのだろうか? アカデミー賞の受賞者は映画芸術科学アカデミーという団体のメンバーの投票によって決められる。米新聞社「ロサンゼルス・タイムズ」によると、2012年の時点でこの会員の94%が白人だったという。そのため、受賞者に人種の偏りが生じると指摘されている。

 また、アジア人女優は偏見を持たれやすいという。女優のルーシー・リュー(46)によると、アジア人は冷たいイメージが持たれるため、そういった役が中心になるとか。彼女は「私を、周りを罵倒する女性だとか、感情を持たない女性だとか思って欲しくないわ。ジュリア・ロバーツやサンドラ・ブロックにはロマンチックイメージを持つでしょう? でも、私は違う」と語っている。

 ドラマ「ヒーローズ」のアジア人俳優、ヒロ・マシオカ(40)は、ハリウッドでの状況は良くなっているが、まだ完全には改善されていないという。「アジア人の主役はあまりみないだろう? 見るとしたら脇役で、主役は白人か黒人がほとんど。でも、ハリウッドは流行に流されやすいからね。アジア人が主役のドラマか映画がヒットしたら、きっと状況は良くなると思うよ」とコメントしている。

【ハリウッドニュース編集部】