桂文枝(72)が17日、大阪市内で、同日午前の早実・清宮幸太郎内野手(1年)の今大会2本目ホームランをテレビ観戦し「初球からガツンとね。すごい男が出てきましたね」と感嘆した。

 PL・桑田真澄以来、1年生で1大会2発の清宮選手を絶賛。低い弾道で右翼ポール際へ放り込んだ清宮選手の打球を「いや、すごかった…」と振り返った。

 この日は、“三枝最後の弟子”桂三実(22)とともに、兵庫・淡路島の「洲本のいいとこ発見大使」就任発表会見に出席。三実は、文枝が襲名2カ月前だった12年5月に弟子入りし、今年5月に3年の弟子修業期間が明けたばかり。

 三実は小学、中学と野球経験があり、「僕も1本立ちして1年生。同じ1年生の清宮君に負けないように頑張りたい」とあいさつしたことから、清宮選手へ話題が移った。

 文枝は、弟子と清宮選手を比較し「インタビューの受け答えとか、こっち(弟子)の方ができるんちゃいますか? あ、いや(清宮選手も)しっかりしてるか。でも、舞台の上のしゃべりなら、弟子も負けてないですよ」。やっぱり、清宮選手に“降参”だった。

 とはいえ、三枝として最後に育てた三実も、誠実で芸事への取り組みは熱心だけに、文枝も自信を持って送り出す。

 文枝自身が淡路島名誉大使を務めている縁で、今回は、弟子が今月24日~10月31日まで約2カ月間、洲本市内に住み込み、現地でPR事業に従事することになった。地域落語会や、子ども向け落語会のほか、ピーマン、いちじくの収穫作業、牧場手伝いなど、農業、漁業の仕事もある。

 野球経験はあるものの趣味は「テレビ鑑賞」「あやとり」と言い、三実は、歌舞伎役者風の色白な優男。文枝は「農作業には向いてないとは思いますが、根性はあります。弟子の中でも(ネタを)しっかりしゃべれる方ですし、覚えもいい。どこで考えたのか、自分なりの笑いを交えたりしてしゃべれる。こう(優男風に)見えて、舞台度胸は抜群です」と話していた。