三田佳子(73)がNHK大河ドラマ「花燃ゆ」(日曜午後8時)に出演することが6日、分かった。大河には、1986年「いのち」、94年「花の乱」と2作の主演を含めて5作出演しており、今回は「花の乱」以来21年ぶり。「明治編」の10月11日放送41話からの登場で、最終回50話まで主演の井上真央(28)を後押しする。

 演じるのは、美和(井上)が群馬県令となった義兄楫取素彦(大沢たかお)と群馬に移って出会う阿久沢せい。夫の阿久沢権蔵(江守徹)が営む飛脚業阿久沢商店を支えながら、自ら製糸工場を運営。上州女のきっぷの良さで美和らを支え、群馬での美和の良き理解者となる。NHK側は三田の起用について「『かかあ天下とからっ風』と言われるように上州・群馬の女性は男勝り。上品で威勢のよい上州女の気風に、三田さんがぴったりと思いオファーしました」と説明した。

 実は、11月に東京・明治座公演「かたき同志」を控えており、9月は休養の予定だった。しかし、井上が「三田さんとやれたら、うれしい」と話していると聞き、出演を承諾した。「私もキャリアを重ねたんだから、今度はお返ししないといけない」。8月中旬から収録に入っており、10月初めまで参加する。

 「花燃ゆ」は低視聴率が続き、初共演の井上は、最初こそ緊張していたが、すぐに打ち解けたという。その状況で、三田は「大河主演の大変さは分かるし、押しつぶされそうな気持ちも分かる。私なりに気付いたことはアドバイスしました」と明かした。

 「三田さんはすごい。(大河主演を)2回もやってるんですね」

 驚く井上に「私だって、くじけそうになったのよ」とも伝えたといい、「つらいけど、知らないうちに力がついている。私が出ることで活力を与えられたら」と思いやった。【林尚之】