北海道洞爺湖町出身で札幌在住のシンガー綾野ましろ(年齢非公表)が3日、都内のTSUTAYA O-WESTで東京初ワンマンライブ「1st Anniversary One-man Live 2015~lycoris」を開いた。

 10月22日でメジャーデビュー1周年を迎え、同31日にホーム札幌でもワンマンライブを開催。それを受けての東京公演は、500席が即完売した。

 この日は名前と同じ、頭の先から足の先まで真っ白な衣装で登場。メジャーデビュー曲となった、昨年放送のアニメ「Fate/stay night」オープニング主題歌「ideal white」からスタートすると、2回のワンマンライブのために制作され、9日に配信限定でリリースされた新曲「focus light」などアンコールを含めて13曲を熱唱。伸びやかな歌声で心を込めて歌うバラードから、パンチの効いた声で力強く歌い上げるロック調の楽曲まで、歌声の幅広さと声量あふれる歌声で観客を酔わせた。

 MCでは、自らのこれまでの歩みを説明しつつ、集まったファンに感謝した。

 「私が生まれた場所は北海道の…今は合併して洞爺湖町だけど、村だったの。クラスメートは7人しかいなかったので、みんな仲良過ぎてケンカもする感じの環境で育ちました。お店が全然ない。CDショップも本屋さんもスーパーもなく…でも、すてきなところなの。(中略)札幌でワンマンをやらせてもらって、今日は東京…こんなにたくさん集まってもらって、本当に本当に幸せでした。小さい頃から歌うことがすごく好きで、音楽が居場所だった…こんな私が(ファンの)みんなの居場所になりたいと強く思いました。これから、突き進んでいくので、着いてきてください。みんなの居場所になれたら」

 アンコールでは洞爺湖村に住んでいた頃、祖母からもらった小遣いで初めて買った、玉置成実の03年「Believe」をカバーした。「初めて買ったCDの楽曲をカバーさせていただきます。CDショップに行って、ジャケットを見て衝動買いしました。初ワンマンライブで、初めて買ったCDの楽曲を歌えるのは光栄…運命だと思います」と感激した。ファンからは、北海道弁で「かわいい」を意味する「めんこい」の掛け声がかかった。

 そして、来年1月13日にミニアルバム「early days」をリリースすると発表した。綾野は「メジャーデビュー前から、北海道で温めていた楽曲中心に作られる、原点のアルバムになると思います」と胸を張った。さらに来年4月9日に東京、誕生日の同23日に札幌で2回目のワンマンライブを行うことも併せて発表。最後には、才能がなくても努力をすれば才能ある人に肩を並べられることを意味する四字熟語で、座右の銘としている「駑馬十駕(どばじゅうが)」を、ファンと声を1つに絶叫した。

 綾野は大泉洋、安田顕、戸次重幸、音尾琢真、森崎博之が組む演劇ユニット、TEAM NACSらが所属するクリエイティブオフィスキューに所属し、同事務所の音楽プロデューサー安田史生に才能を見いだされた。8月28~30日の3日間、さいたまスーパーアリーナで8万1000人を動員した、世界最大級のアニソンフェス「アニメロサマーライブ2015」にも、新人歌手ながら初出演するなど、Jポップからアニソンまで幅広く歌っている。