演歌歌手の三山ひろし(35)が9日、東京タワーの下に宣伝用の大型トラックを横付けし、特別ライブを行った。2月11日に発売したシングル「お岩木山」が、演歌では異例の10万枚突破という大ヒット。日本レコード協会から、今年の演歌・歌謡曲部門でNO・1として、9月度に正式にゴールドディスクにも認定された。記念の盾と、特技のけん玉を手にした三山は「僕の歌を流すトラックが都内をグルグル回っているなんて、10年前に高知から上京してきたことを思い出すと、グッときます。僕の等身大の曲が10万枚を超えて、本当にうれしいです」と感謝した。

 デビューして6年。歌手としての最大の夢が、現実味を帯びてきた。赤のスーツで、白い玉のけん玉を手にすると、夢の舞台に思いをはせた。「もちろん、大みそかのNHK紅白歌合戦の晴れ舞台を意識しています。そこに立つことが、皆さまへの恩返しになるので」。東京タワーも赤と白だと、報道陣から言われると「エヘヘ、意識したかもしれません」とニヤけた。

 紅白に初出場して、来年は世界に飛び出したい。「実は一昨年、ハワイとブラジルから『けん玉と演歌を披露しに来てくれないか』とオファーをもらっていたんです。その時は行けなかったので、来年に胸を張って世界に行ってみたい」。そう言いながら、けん玉の大技「世界一周」を成功させてみせた。

 氷川きよし(38)以降、長らく人気が出た若手男性演歌歌手はいなかった。「レコード会社の大先輩、北島三郎さんのように、いつかは日本一の演歌歌手と呼ばれたい」。紅白歌手の発表は今月下旬の予定。まずは、人事を尽くして天命を待つ。【瀬津真也】

 ◆三山(みやま)ひろし 1980年(昭55)9月17日、高知県生まれ。04年に高知で「NHKのど自慢」に出場し、氷川の「白雲の城」を歌い優勝。25歳で上京し、松前ひろ子経営のレストランで働きながら修業。07年「日本クラウン創立45周年新人オーディション」で準グランプリ。09年「人恋酒場」でデビュー。1年後に10万枚セールスを突破。11年の日本レコード大賞「日本作曲家協会奨励賞」受賞。2年前からけん玉を始め、日本けん玉協会の3段。

<最近の人気若手男性演歌歌手>

 ◆氷川きよし(38) 日本レコード大賞などを総なめにし紅白15回出場の、言わずと知れた超人気歌手。

 ◆北山たけし(41) 北島三郎の次女と結婚。紅白は09年まで5回出場。

 ◆ジェロ(34) 08年に「海雪」でブレークした異色の黒人演歌歌手。紅白は09年まで2回出場。

 ◆山内恵介(32) 三山と並び、今最も勢いのあるイケメン。15年目とキャリアは長く、昨年3月の「恋の手本」がオリコン9位に。今年の紅白初出場が有力。