ロサンゼルス映画評論家協会(LAFCA)の会員が選考する第41回LA映画評論家協会賞が発表され、ジョージ・ミラー監督の娯楽大作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が、最多となる監督賞、撮影賞、プロダクションデザイン賞の3冠に輝いた。同作はすでに、アカデミー賞の前哨戦として知られるナショナル・ボード・オブ・レビュー・アワード(NBR賞)で作品賞に輝いている他、ボストン映画批評家賞でも編集賞を受賞。本命不在と言われる今年の賞レースで、まったく注目されていなかった本作が一気に殴りこみをかけたと話題になっている。

 作品賞はボストン・グローブ紙の記者たちによるカソリック教会の性的虐待スキャンダルを追及を描いた実録サスペンス「スポットライト」が受賞。「スティーブ・ジョブズ」のマイケル・ファスベンダーが主演男優賞、「45Years」のシャロット・ランプリングが主演女優賞に輝いた。

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、荒廃した近未来を舞台に妻子を殺された男の復讐劇を描いたメル・ギブソン出世作「マッドマックス」シリーズの30年ぶりとなる新作。本作はシリーズの生みの親であるミラー監督が再びメガホンをとり、「ダークナイト ライジング」などで知られる俳優トム・ハーディがギブソンに代わって主演。女優シャーリーズ・セロンがスキンヘッドで登場したことも話題になっていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)