土屋アンナ(31)の稽古無断欠席で舞台公演が中止になったとして、甲斐智陽プロデューサー(64)が損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。原克也裁判長は、台本の権利関係をめぐる問題によって土屋との信頼関係が失われており、稽古の不参加には正当な理由があるとした。土屋は「長かった」と安心した表情を見せたが、甲斐氏は控訴する方針を示した。

<騒動の経過>

 甲斐氏 正当な理由なく稽古に参加せず、そのため公演中止になった。

 土屋 まったく事実無根です、ただただ困惑してます。

 ▼13年7月 8月に上演予定の舞台「誓い~奇跡のシンガー」が上演中止に。制作の甲斐氏側は土屋の稽古無断欠席が理由と説明。土屋側は事実無根、甲斐氏が舞台原案者である浜田朝美氏に舞台化の許可を得ていなかったと反論した。

 ▼同8月 甲斐氏が土屋と実母が社長を務める所属事務所に約3000万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴。

 ▼同10月 東京地裁で第1回口頭弁論。

 ▼14年3月 裁判長が和解勧告、非公開協議に。

 ▼同12月 裁判長は土屋側が200万円を払う和解案を提示したが、甲斐氏側は拒否。

 土屋 「ANNAはどうしようもない女」と歌う曲は名誉毀損。逆提訴する。

 甲斐氏 本人と特定していないのに名誉毀損はおかしい。

 ▼15年4月 甲斐氏が作詞作曲し、YouTubeに投稿した曲「ANNA」の「ANNAはどうしようもない女」などと歌う内容について、土屋側が名誉毀損(きそん)に当たるとして、甲斐氏に1100万円の損害賠償を求めて提訴したことが判明。舞台降板の訴訟と合同審理となる。

 ▼同11月 東京地裁の証人調べに土屋、事務所社長の土屋の母、甲斐氏が出廷。初めて直接対決した。

 裁判長 稽古不参加は正当な理由がある。「ANNA」とは土屋さんを指すものと理解する。

 甲斐氏 話にならない。控訴する。もう金の問題じゃない。最高裁までいきます。