昨年11月、93歳で死去した漫画家、水木しげるさんのお別れの会が31日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。漫画家のちばてつやさん(77)、さいとうたかをさん(79)ら約300人が参列し、故人をしのんだ。

 祭壇は、水木さんがにこやかな表情を浮かべた遺影と、代表作である「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」の絵が掲げられた。また、白菊などの3000本以上の花で、故郷の鳥取県境港市の海原などをイメージした飾り付けがされた。

 NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で水木夫妻を演じた俳優の向井理(33)や女優松下奈緒(30)も参列。向井は「(ドラマで)役作りが難しかったが、(水木さんから)『好きなようにやってください』と言われて、不安がなくなった。包み込んでくれる人だった」と振り返った。また、喪主の妻武良布枝さん(84)を演じた松下は「私にも『好きなようにやってください』と声をかけて下さいました。あんな奥さんになりたいと思いました」と話した。

 会に先立ち、水木さんの一番弟子だったという、作家の荒俣宏さん(68)が取材に応じ、「日本の宝のひとつ。いろんな人を幸せにした。水木さんのような人はもう出てこない」と述べた。