気になる静岡県テレビ局のアナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」。Daiichi-TVの小野沢玲奈アナ(27)です。かつては図鑑が大好きなリケジョでしたが、アルバイトをきっかけにアナウンサーを志望。ただ、最終面接での不合格が続いたそうです。その理由とは…。「その1」は就活編です。

 -明治大農学部卒、リケジョなんですね

 生命科学科で、植物が病気に負けないように、外部物質を認識する受容体の研究などをしていました。ずっと図説、図鑑を見るのが大好きで、中学、高校の通学中に見ていたんですよ。

 -中学、高校は女子校。当時、何を目指して

 実は医者になりたかったんですけど、周りから大反対されました。私、ちょっとビックリするようなミスもするので、「絶対に医療ミスをする」と。で、大学は農学部を選びました。

 -それが、なぜアナウンサー志望に

 大学2年で、日本テレビのイベントコンパニオンをさせていただきました。最初の仕事が「24時間テレビ」のアシスタントで、嵐さんにマイクを渡しました。そこで背中越しに西尾由佳理さんのすてきな声を聞き、衝撃を受けました。その後、「しゃべくり007」の初代ボンドガールをさせていただき、大人たちが1つの笑いに向かって熱くなっている姿を見て、「テレビっていいな」と。

 -3年生から就活

 それがうまくいかなかったんです。イベコンで一緒だった三田友梨佳さんはフジに、小学校から友達の徳島えりかちゃんは日テレに内定したのに、私はダメで。

 -それ、周りがすごすぎるでしょ

 はい。でも、落ち込む私を母が心配して、アナ違いの「ANAを受けなさい」と。おかげさまで地上職で内定をいただいたのですが、やっぱり、アナウンサーになりたくて…。

 -で、地方局を受験

 たくさん受けました。沖縄、鹿児島、熊本、富山などの局で最終面接に進みましたが、「あなたはここに住めないと思う」と言われまして。

 -東京育ちで「箱入り娘」と思われたのでは

 そうですね。毎回同じ理由なので「そうなのかな」と思うようになりました。

 -Daiichi-TVを受けた時期は

 4年の5月で、ラストチャンスだと思いました。前日に静岡入りして、お茶摘みをして、久能山の「いちいちご苦労さん」の階段を行ったり来たりして、おでん横丁にも行きました。お店のお母さんと楽しくお話をして、「私、静岡が合っているんじゃないかな」と思いました。

 -面接では

 スーツの中にお茶の葉をしのばせていたんです。で、それをパッと出したんです。「これが一針三葉と言います。お茶のおいしいところなんですよ」とベテランの方々に向かって堂々と。「えっ」って顔をされたんですけど、「静岡って自分に合っていると思います」とアピールしました。

 -役員面接では

 会長から「たくさん試験を受けたと思いますが、静岡は近いから大丈夫。週末、東京に帰ればいいよ」と言われました。瞬間、「ああ、ここまで落ちてきた理由も、この局なら大丈夫なんだ」と思いました。

 -縁があったんですね

 本当に良かったです。静岡の空気感、今でも本当に合っていると思います。

 東京育ちですが、静岡にマッチした小野沢アナ。「その2」では、入社後の「喜怒哀楽」について聞きました。お楽しみに。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆小野沢玲奈(おのざわ・れいな)1988年(昭63)5月22日、東京生まれ。明大農学部生命科学科卒。11年4月に入社。担当番組は「news every.しずおか」。特技は2歳から続けているダンス。血液型B。