第18回ウディネ・ファーイースト映画祭の授賞式が30日(日本時間1日)、イタリア・ウディネで行われ、松田龍平(32)主演で公開中の映画「モヒカン故郷に帰る」(沖田修一監督)が、ブロンズ・マルベリー賞、ブラックドラゴン賞をダブル受賞した。

 ブロンズ・マルベリー賞は、観客賞第3位に与えられる賞で、ブラックドラゴン賞は映画祭のパスを取得した映画愛好家の投票による、もう1つの観客賞に当たる。同映画祭で2つの賞を受賞した日本作品は、11年の「告白」がブラックドラゴン賞、マイムービーズ映画賞を受賞して以来、5年ぶり。

 授賞式には松田、沖田監督が日本から出席した。まずブラックドラゴン賞の盾を受け取った沖田監督は、「松田さんと、この舞台に立ててとてもうれしく思っています。松田さんありがとう、みなさん、ありがとうございます」と興奮気味にスピーチ。松田も「グランデ・タンテ・グラーツェ!(ありがとう)」とイタリア語で続いた。

 2人が降壇し、席に戻る最中に、今度はブロンズ・マルベリー賞の受賞が発表された。松田は「沖田さんと僕で1つずつ(盾を)持てることが幸せです」と再び喜びに沸いた。

 作品は松田演じるロッカーが、恋人(前田敦子)との結婚を機に広島の故郷に帰り、末期がんが発覚した父(柄本明)の最期をみとるため奔走する物語。