嵐の二宮和也(33)が、来年秋公開予定の映画「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」(滝田洋二郎監督)で主演することが17日、分かった。滝田監督との「アカデミー賞受賞コンビ」で、「絶対味覚」を持つ料理人役に挑戦する。

 二宮が滝田監督の作品に出演するのは初めて。今年3月、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した昨年公開「母と暮せば」以来の映画主演となる。08年公開の「おくりびと」などで日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞している滝田監督との初タッグ。滝田監督からは「大げさな演技をしなくても、映画を見終わった後、自分の存在を残すような芝居ができる。天性のもの」と絶賛されている。

 物語の舞台は、1930年代の満州と、現代の日本に分かれている。二宮は、現代パートの主人公で、1度食べた味を完全に再現できる絶対味覚を持つ料理人、佐々木充を演じる。依頼人からリクエストされた人生の最期に食べたい料理を再現し、高額の報酬を得る。過去に満州に渡ったすご腕の料理人、山形直太朗(西島秀俊)が考案した伝説のレシピの謎を追い求めていくうちに、時代を超えた事実が明らかになっていくというストーリーだ。

 二宮が料理人役に挑戦するのは、07年放送のフジテレビ系ドラマ「拝啓、父上様」以来。もともと左利きだが、日本料理人の主流に合わせて包丁さばきを右利きに矯正したという経緯があった。今回も、5月から料理人服部幸應(ゆきお)氏が校長を務める服部栄養専門学校に通い、包丁さばきの特訓に励んでいるという。二宮の両親が以前同校で料理の先生をしていたこともあってか、滝田監督からも「すごく上手で、いきなりできちゃうもんだから、先生にも褒められていた。家で料理している写真を送ってきたりもしますよ」と驚かれている。

 二宮の友人役・綾野剛(34)、西島の妻役・宮崎あおい(30)らキャスト陣も豪華だ。撮影はまもなくスタートする予定で、二宮は「切る音、焼く音、調理の香り。本当に心地よく、すばらしい香りに集まったこのキャスト。うれしく感謝とともに現場に入れそうです。死に物狂いで頑張ります。よろしくお願いします!」と話している。

 ◆二宮和也(にのみや・かずなり)1983年(昭58)6月17日、東京都生まれ。99年嵐メンバーとして「A・RA・SHI」でCDデビュー。蜷川幸雄監督「青の炎」クリント・イーストウッド監督「硫黄島からの手紙」などの映画に出演した。168センチ。血液型A。

 ◆滝田洋二郎(たきた・ようじろう)1955年(昭30)12月4日、富山県生まれ。81年に監督デビュー。86年の「コミック雑誌なんかいらない!」が海外映画祭で高い評価を得る。代表作は「病院へ行こう」「僕らはみんな生きている」「壬生義士伝」など多数。

 ◆「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」 田中経一氏が14年に発表した「麒麟の舌を持つ男」(幻冬舎)が原作。秋元康氏の企画で、映画化が決まった。絶対味覚を持ちながらも料理への情熱を失ってしまった佐々木充が、関係者の証言を集めながら、伝説のレシピの解明に挑む。竹野内豊(45)笈田ヨシ(82)関西ジャニーズJr西畑大吾(19)も出演する。来月5日には、映画と同名の小説文庫版も発売する。