押切もえ(36)が女性ファッション誌「AneCan」の専属モデルを年内に卒業することが1日、分かった。07年3月創刊にあたって姉妹誌「CanCam」専属モデルを卒業して「AneCan」の「顔」を務めてきた。今後もモデル業は続けるが、文筆業や創作活動にも力を入れていくつもりだ。プロ野球ロッテのエース涌井秀章投手(30)との交際も順調という。

 卒業は昨年から考えていた。「寂しい気持ちはありますが、自分のやっていきたいこと、表現したいことを考えた結果です。もちろん『AneCan』の将来も考えました」。周囲と話し合った末、年内をもって卒業すると決めた。

 「やっていきたいこと」はたくさんある。昨年は美術展「二科展」の絵画部門に初出展で初入賞。今年は2月発表の小説「永遠とは違う一日」が山本周五郎賞の候補になった。モデルの仕事は「自分の軸なので、これからもやっていきたい」と言うが「視野を広げられたら幸せ」と「ラジオDJや文筆や絵でも頑張っていきます」と幅広い活動を続けていくつもりだ。

 蛯原友里(36)らと「CanCam」専属モデルとして一大ブームを築いた。姉妹誌「AneCan」と合わせて約15年間、第一線の専属モデルとして活躍した。「CanCam」時代は「いろいろなことを学んだ学校みたいでした。青春が詰まっている」という。一番の思い出は1年目の大失敗。「山田優ちゃんと2人でロケに行き、食事をすごく食べた。東京に帰ってきたら私だけ太っていて、ものすごく怒られました(笑い)」。

 「AneCan」は執筆活動を本格的に始めるきっかけを作ってくれた。エッセーを掲載していたら、スタッフから「本を出したら」と勧められた。自分の半生をつづった「モデル失格」を09年に発表。これが「永遠とは違う一日」出版につながっていった。

 今後は「専属」という肩書がなくなることで、他雑誌にも積極的に関わっていく可能性も出てきた。「好きな雑誌がいくつかあるので、良いお話をいただければ、これからどんどん出ていって自分を磨きたい」。活動の翼はどこまでも広がっていく。【松本久】