寺島しのぶ(43)の主演映画「母」(山口火砂子監督、来年1月公開)の製作発表が23日、都内で行われた。

 軍国主義下の33年に拷問死した作家・小林多喜二の母にスポットを当てた三浦綾子さんの原作。20代から87歳までを演じる寺島は「6人の子どもを大きな愛で育てた人。私も母親ですが、ネガティブでちっちゃい母親。比べものになりませんね」という。

 結婚9年の夫、仏人アートディレクター、ローラン・グナシア氏との間に生まれた長男は3歳。寺島が歌舞伎俳優になることを希望しているとの報道もあった。「お稽古はやっていますが、それは本人の気持ちしだいです。フランス人ぽく、ちゃんと主張しますから。七夕のときは短冊に『魚屋さんになりたい』って書いてました」という。

 多喜二役は昨年「二股騒動」で注目された塩谷瞬(34)。この1カ月、山口監督との打ち合わせに加えて多喜二の研究にも打ち込んだ様子で「あの時代にああいう生き方をした。考えれば考えるほど込み上げるものがあります…」と声を詰まらせて涙を流すひと幕もあった。

 渡辺いっけい(53)山口馬木也(43)らベテランが脇を固め、水石亜飛夢(20)が多喜二の弟役を務める。