今年の文化勲章の受章者と文化功労者が28日、発表された。文化勲章には、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)や作曲家船村徹さん(84)作家平岩弓枝さん(84)芸術家草間彌生さん(87)ら6人が選ばれた。文化功労者には歌手で俳優の杉良太郎(72)ら15人が選ばれた。

 杉良太郎は芸能活動とともに、ベトナムなどの海外で長年続けてきた国際貢献や交流活動などが評価され、「身に余る光栄なこと」と喜びを語った。15歳で刑務所の慰問を始め、私財を投じて海外の学校建設や里子の支援などを続けてきた。「物心ついたらやっていた。そんな感じです」。

 活動の根源には「平和への願い」があるという。文化は政治経済と同等の力を持つと信じ、草の根交流に尽力してきた。特に未来を担う子どもたちへの思いは深く、平和への期待は大きい。「将来の国を作るのは子どもたち。夢や希望を持てるようにするのが、自分たち大人の役目」と言葉に力を込める。そして「どこまでやれるのか。これからの課題です」と続けた。妻の歌手伍代夏子(54)もそんな夫を公私にわたって支えてきた。「一緒に乾杯をしたいと思う」と笑顔で話した。