俳優窪塚洋介(37)が16日、兵庫県西宮市の関学大で映画「沈黙-サイレンス-」(1月21日公開)の公開記念トークイベントに出席。メガホンを執ったマーティン・スコセッシ監督を絶賛した。

 映画は遠藤周作原作の名著「沈黙」。江戸時代初期のキリシタン弾圧などを描く。窪塚は宣教師を長崎に案内しながら、踏み絵を拒否できず、仲間を裏切ってしまうキチジローを演じた。この日は遠藤周作研究者の2人の大学教授を前に、熱弁をふるい「監督は役者はもちろん、太秦の職人さんにまで全員に敬意を払ってくれた。撮影で寒さも痛みもあったけど、それすらが喜びの1つだった」と明かした。

 オスカー受賞歴のあるスコセッシ監督にとって、原作と出合ってから28年も温めてきた企画。思い入れは並ではなく、その監督に「僕が28年間、1番重要な役と思ってきたキチジローではなく、本当のキチジローがここにいた」と言ってもらったことが、何よりもうれしかったようだ。

 「2日前に試写を見た。カットされてる場面はもちろんあるんですが『マーティンがそう思ったんだから、そうなんだ』と思えた。そんな作品があるんですね」。スコセッシ監督への絶対的な信頼の上に完成した作品。「日本の役者がすばらしい。見ていて、力強さ、堂々さに泣きました。正直『もう(俳優を)辞めていいかな』と思ったぐらいの映画です」とアピールしていた。