NHKの健康番組「ガッテン!」(水曜午後7時30分)が、糖尿病の治療に睡眠薬を直接使えるかのような表現をした問題について1日の放送で謝罪した。

 冒頭で、小野文恵アナウンサーが一礼した後、話し始めた。

 「先週放送した『ガッテン!』、『血糖値を下げるデルタパワーの謎』では、睡眠と、糖尿病の関係の最新研究をお伝えしました。しかし説明が不十分だったり、行き過ぎた表現があったりしたため混乱を招いてしまいました。大変申し訳ありませんでした」

 謝罪を終えると深々と頭を下げた。

 その後、パネルを使って、あらためて経緯や事実を報告した。「お伝えしたかったのは、糖尿病の方々の中では睡眠障害を持っている方々が多くいて、そういう方は睡眠障害を治療することで、血糖値を下げられる可能性がある、ということでした。その睡眠障害の治療に、睡眠薬を使って効果をあげている、という研究をご紹介しました」と説明。「しかしあたかも、睡眠薬で糖尿病の治療そのものができるかのような表現をしてしまったため、睡眠薬の不適切な使用を勧めている、といったご批判をたくさんいただきました」と伝えた。

 その上で「糖尿病の治療するために、直接睡眠薬を使うことは認められていません」とテロップも表示して訂正した。「誰もが病院で睡眠薬をもらって治療できるかのような誤解を招いてしまいました。おわびいたします」と、重ねて謝罪した。睡眠薬の紹介の仕方についても「不適切でした」とし「どの睡眠薬がよいとは言えない」と伝えた。

 番組では、2月22日放送回で「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」と題し、睡眠障害を改善することで血糖値も改善したとのデータを紹介していた。厚生労働省は同27日までに、NHKに口頭で注意した。日本睡眠学会と日本神経精神薬理学会も、放送内容に異議を申し立てる見解を発表していた。