フォーク歌手の加川良さん(かがわ・りょう=本名小斎喜弘)が5日午前9時39分、急性骨髄性白血病のため、都内の病院で死去した。69歳だった。

 所属事務所によると前日4日夜に容体が急変。妻富士子さんと長男のミュージシャン元希が見守る中、息を引き取った。葬儀・告別式は親族のみで行い、後日、追悼ライブを開く予定。喪主は長男元希(げんき)が務める。

 昨年12月、山梨県の病院に入院し、予定していた公演の延期を発表。公式ホームページに「今しばらくの入院生活となりそうです」と自筆でつづっていた。闘病中も、昨年発売したアルバム「みらい」について「もっと世の中に広げてほしい。セールスをよろしく」と気に掛けていたという。

 70年フォーク野外コンサート「中津川フォークジャンボリー」で披露した「教訓1」が評判を呼び、翌71年にデビュー。吉田拓郎(71)らとともに70年代のフォークブームをけん引し、日本フォーク界の先駆け的存在だった。松山千春(61)は小学生のころから加川の曲を口ずさみ、「オレの音楽のルーツ」と公言。カバーアルバムに加川の曲を収録するなど多くのミュージシャンに影響を与えてきた。