10月2日スタートの次期NHK連続テレビ小説「わろてんか」の初取材会が25日、京都市右京区の松竹撮影所で行われ、ヒロインの葵わかな(18)は、夫役を演じる松坂桃李(28)の印象に「いい人です」と話した。

 収録は今月19日に、京都の東寺や上賀茂神社と世界遺産ロケでスタート。滋賀でも撮影し、撮影所ではセットを背景に収録を進めている。

 関西弁の練習から始めた葵は「絶対に風邪をひかないようにしようと思って、頑張っていたら、初日に風邪をひいてしまった…。2日目ぐらいから雲行きが怪しくなり、ごめんなさいって感じで…」。体調不安を察知したスタッフからの気遣いを受け「あったかい人たちだと思いました」と感謝した。

 また、夫役の松坂とはまだ1シーンしかからんでいないが、体調不安の中での収録でも「笑ってくれたので、いい人だなって思いました」とニッコリ。松坂は「(葵は)表情も豊か。(芝居は)気持ちが良かった。チーム全体も愛にあふれていて、困った時はどんどん甘えればいい」とアドバイスを送った。

 ドラマは吉本興業の創始者、吉本せいをモデルに描かれ、葵演じるヒロインの藤岡てんは、京都の老舗薬種問屋のお嬢様。大阪の老舗米問屋の長男、北村藤吉(松坂)と出会い、恋に落ち、夫婦で日本に笑いを根付かせていく。

 収録は始まったばかりで、2人の恋もまだ序盤ながらに、息もぴったりな様子。この日は、ヒロインの実家での暮らし場面などを収録し、葵は「空いている時間に街をウロウロしていると、京都は街中に昔の名残があって好き。今と昔のイメージがつながります」。松坂も「古き良き物を大切にしている空気感がいいですね」と語った。

 番組の後藤高久チーフ・プロデューサーは、葵について「年齢の割にしっかり者。でも、撮影初日に風邪をひいたり、ちょっと18歳の少女らしい素顔も見えて、現場はヒロインを中心に一致団結できている」と大きな手ごたえをつかんでいる。

 葵は自らを「もともとあまり明るくない」と言うが、真っ赤な着物衣装に負けない笑い上戸で明るいヒロインを演じるにあたり「衣装に負けないように、できるだけ明るくしようと思って、収録じゃない時間も表情を変えるようにしています」。18歳ヒロインなりに考え、実行する姿に、松坂は「(葵に)まだまだ魅力が隠れていると思う」と、無限の可能性を感じると話していた。

 今後は今週いっぱい京都で収録を行い、来週明けからNHK大阪放送局のスタジオへ場所を移し、10カ月近くに及ぶ長丁場の収録を本格的にスタートさせる。