吉本興業は14日、京都市内で新プロジェクト「少女歌劇団」の発表会見を行った。「清く。明るく。麗しく。」をテーマに「和の美意識を体現する少女たち」のライブを、新設する関西の専用劇場から発信する成長型ライブ・エンターテインメント。総合演出はゲーム「天外魔境」や「サクラ大戦」などの大ヒット作を手がけたマルチクリエイター広井王子氏(64)が務める。

11月1日~12月31日で第1期メンバーを募集し、応募資格は12月31日時点で満11歳から17歳までの女性。国籍、経験は不問で合格後、指定されたスケジュールに従って日常的にレッスンを受けた上で劇場公演に出演できる方となっている。オーディションを経て、来年4月にメンバーを決定し、夏の劇場デビューを目指す。

会見に出席した広井氏は「卑弥呼の時代から日本というのは宗教的にちょっと稚拙なものや少女の無垢(むく)なものに大人が非常に浄化されるような文化を持っていたんじゃないかと思い当たった」とオファーを受けての気持ちを表現。「戦後、日本人が日本であるということを忘れ過ぎた」という自身の考えから、「少女歌劇団」を作る意義について、「単なる商品として出すんじゃなくて、少女と一緒に僕らも勉強しながらもう1回、日本文化みたいなものを、少女を通して発信できたら」と説明した。

ゲストで登場したゆりやんレトリィバァ(27)から「(入団したい子は)どんな気持ちが必要?」と聞かれ、広井氏は「『舞台に立ちたい』という、その気持ちだけ」。団員は20歳の誕生日で退団するというコンセプトも話した。演劇内容などは先に決めず、入団した子に合わせてオーダーメードするという。

同じく出席した吉本興業の大崎洋CEOは、今年8月の京都で広井氏に対し、「手をそっと握り、大阪で仕事しません?」と口説いた秘話を明かし会場を沸かせた。

会見後、個別で取材に応じた広井氏は、第1期生を約30人とすること、将来は約30人のチームを「雪・月・花」に分けて作ることなどを明かし、自身の技術を生かして「1つ(のチーム)はCGで」と現時点での構想を説明。

新設される専用劇場については、大阪市内に200~500人程度を収容できるもので、同時配信できる設備を検討しているといい、「世界中に配信したい」。プロジェクト自体は学業優先をもとに、公演は土日が重点的になるなどと話した。