歌手坂本冬美(42)が、“観客2人”だけの異例のコンサートを行う。最愛の父や恩師らを亡くし、一時期、体調を崩し休業した。今も「何のために、誰のために歌うのか」の答えを模索しているが、5月に冬美ファンだった夫をがんで亡くした女性から手紙をもらい、歌うことの原点を見つめ直すことを決意した。その女性と遺影を前にしたコンサートは17日午後に、東京・渋谷区のけやきホールで行われる。

 手紙は5月中旬に届いた。冬美の故郷・和歌山に住む40代の女性からで、冬美ファンだった夫が一昨年7月にがんで47歳で亡くなったこと。落ちついた昨年、和歌山での冬美の公演に、遺影とともに行ったこと、などがつづられていた。そして「冬美さんの大ファンだった主人にはせる思いと、『頑張って!!』と私に語りかけてくれるような、冬美さんの歌声が心に鳴り響きました。これからも必ず主人を連れていきます」とあった。

 [2009年6月12日6時25分]ソーシャルブックマーク