民放連の広瀬道貞会長は16日の定例会見で、サッカーW杯南アフリカ大会のテレビ放送をめぐり、民放全体の収支が赤字になったことを明らかにした。広瀬会長は赤字額について明らかにしなかったが、関係者によると十数億円に上るとみられる。

 広瀬会長は理由として、放送権料の高騰とリーマン・ショック後の不景気のほか、W杯直前まで日本代表が不振だったため、企業の関心が低く、広告販売に影響が出たことなどを挙げた。

 日本代表はベスト16に進出し、日本国中を沸かせたが、放送権料の民放負担分と番組制作費の合計が広告収入を上回った形だ。

 民放連によると、五輪は1984年のロサンゼルス、W杯は02年の日韓大会から、NHKと民放で構成するジャパン・コンソーシアム(JC)が放送権を扱うようになったが、赤字は五輪とW杯を通じて初めてという。

 広瀬会長は「赤字となってショック。放送権料が高騰しないよう、国際サッカー連盟や国際オリンピック委員会に申し入れをしている」と述べた。

 [2010年9月16日18時22分]ソーシャルブックマーク