「家政婦のミタ」などで知られる遊川和彦氏の脚本で放送中のNHK朝の連続テレビ小説「純と愛」(月~土曜午前8時)は22日、同大阪放送局で最終収録を終え、ヒロイン夏菜(23)と、相手役の風間俊介(29)がともに感涙した。

 遊川氏の台本は、セリフが多く長い。遊川氏自ら収録現場に足を運び、イメージ通りの演技を求めることも多々あったという。

 夏菜は「こんなに追い込まれた現場はなかった」。あごまで落ちる涙を手の甲でぬぐいながらあいさつした。

 9カ月間の収録を終え、「今日は実感わかないとか言ってたんですけど、あれ?

 ぜんっぜん泣きましたね。今は本当に寂しくてしょうがない」と声を震わせた。

 風間も、気丈に笑顔でマイクを握ったものの、演出的な役割も務めた遊川氏の存在に「いろいろな…こと…」と口にすると、声が裏返り、あふれそうになる涙が流れるのを懸命にこらえ、天をあおいだ。しばらく沈黙した後、声を振り絞るように「賛否両論があったこのドラマ、この作品を9カ月、やってこられて誇りに思います」と話すと、唇を真一文字に結んだ。

 和やか、アットホームといったイメージで作られる朝ドラが多い中、ヒロイン夏菜自身にも生傷が絶えないほど、感情の起伏が激しい主人公を軸にドラマが展開。感情をむきだしにするヒロイン像に対しても、視聴者から「朝ドラにふさわしくない」との意見も多く寄せられていたという。同局はこれを「それだけ反響があるのはありがたい」と前向きに受け止め、夏菜、風間ら出演者も一丸になって乗り切ってきた。

 また、スピンオフ企画として、吉田羊演じる夏菜の上司役を主人公としたBSプレミアム「富士子のかれいな一日(仮題)」(4月20日午後8時放送)も決まった。

 [2013年2月22日20時25分]日刊スポーツのオススメ