NHKの籾井勝人会長が就任会見で従軍慰安婦問題を「どこの国にもあった」などと発言した問題で、NHK経営委員会(浜田健一郎委員長)は28日の会合で、籾井氏の発言について議論する見通しだ。

 発言をめぐっては韓国の与野党やメディアに加え、中国も「歴史を正視すべきだ」と批判するなど、国際問題に発展。市民団体が会長辞任を求める申し入れ書を同局に提出するなど、波紋は広がっている。籾井氏を会長に選出した経営委の対応に注目が集まりそうだ。

 NHKの最高意思決定機関である経営委員会は定数12人。放送法に基づいて予算を議決するほか、会長を任命・罷免する権限を持つ。

 籾井氏は三井物産出身で、日本ユニシスの社長などを歴任。経営委は昨年12月、松本正之前会長の後任として、籾井氏を全会一致で新会長に選出していた。

 籾井氏の発言を受け、ある経営委員は「こういう人だと分かっていれば会長にはしていなかった。NHKの予算が国会で承認されるかどうか分からない」と懸念。別の委員は「あまりにも見識がない。本当にがっかりだ」と嘆いた。