芸能生活40年を迎えた上方落語家、桂小枝(59)が28日、大阪市内で、記念興行「桂小枝の会

 全国ツアー」を発表し、亡き師匠・5代目桂文枝さんへの“恩返し”を誓った。

 「入門してからテレビの仕事やって、フワフワしてきまして。師匠が亡くなって八回忌なんですけど、落語家としてとって(採用)してくれたのに、何してんねやろ?

 申し訳ない気持ちで、師匠が亡くなってからは、師匠のネタもしっかりやっていこうと」

 6代文枝、きん枝、文珍らを兄弟子に持ち、小枝は先代文枝さんの9番目の弟子だった。若き日には顔面白塗りで、頭になすびをのせ高座に上がり、師匠と同じ「上方四天王」と呼ばれた3代目桂春団治を絶句させたこともある。型破りな芸風で「師匠(先代文枝さん)の弟子でよかった。米朝一門やったら破門されてました」と振り返る。

 先代文枝さんは、弟子の長所を伸ばし、育成は奔放主義で、女性の弟子も採用していた。小枝も年を重ねるごとに師匠への感謝の念が増し、恩返しの落語ツアーを10年から5年連続で開いてきた。

 昨年はスイーツを局部にのせた写真とともに不倫報道があり「去年いろいろあったんですけど、まあ一番ピンチではありました」と、報道から1年を経て、初めて不倫に言及した。

 さらに、昨年秋には、25年務めたABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」の探偵を卒業するなど、変化の多い1年だった。同番組の名物探偵としての人気も高く「ファンの人からは『小枝さん出えへんかったらおもんないわ』と言ってもらうことも多いですね。まだ腕は衰えてませんよ」と、探偵復帰もアピールした。

 一方で、兄弟子の6代文枝が会長を務める上方落語協会の理事でもあり、本業の落語にも、より力を入れる覚悟だ。「落語に軸足といいますか、まあ、そうですね。しゃべれる間、正座できる間は落語をしていたい」と話していた。

 今年のツアーは7月12日に名古屋でスタート、同13日の東京、8月3日に徳島、同23日に北海道、9月7日の福岡を経て、同26日に大阪で千秋楽を予定する。