SPEED上原多香子(31)の夫で、25日に35歳で急死したET-KINGのメンバー、TENN(テン)さん(本名・森脇隆宏)の葬儀・告別式が28日、大阪市阿倍野区のやすらぎ天空館で営まれた。

 喪主を務めた上原は、会場内で参列者500人に向け、涙を見せず気丈に、御礼のあいさつ。夫に向け「ずっと私の心の中で生き続けています」と思いを語ったという。

 出棺の際には、目を赤くしたET-KINGのメンバーらが棺を抱えた。上原は遺影を抱えてうつむき、しゃくり上げるような場面もあったが、遺体と参列者、ファンに向かって深々と頭を下げた。

 棺の中のTENNさんは私服姿で、上原さんと同じように結婚指輪をはめていたという。ファン約1000人分の寄せ書きも入れられた。

 会場外にも記帳台が設けられ、ファン約1000人が詰めかけた。代表曲「ギフト」が流れると、会場内外で大合唱となった。出棺時にはファンや参列者から「TENN!」「ありがとう!」などと声がとんだ。

 上原は式後、事務所を通じてコメントを発表した。

 「このたび主人の死はあまりにも突然でした。ファンの皆様や関係者の皆様にご心配をおかけしたことを心よりおわび申し上げます。これからも皆さんの心の中にいつまでもTENNくんがいてくれることを願います

 上原多香子」

 式では、ET-KINGのメンバー1人1人から、涙ながらにお見送りの言葉が送られた。リーダー、イトキン(35)は、会場をライブに例えて、祭壇に呼びかけた。

 「今日もええステージにしてもろうたな。ツアーのスタッフもたくさん来てくれて、お客さんもいっぱい来てくれて。それやのに、お前はなんで寝てるねん!

 早う起きな。お前の大好きなお父ちゃんも、お母ちゃんも、多香ちゃんも、いつもとは違って、今日は一番前で見てくれてるのに。並んで、一緒に歌おう」

 涙でしばらく歌い出せなかったが、詰まりながらもアカペラで「ギフト」を熱唱。参列者も声を合わせ、手拍子で盛り上げた。TENNさんの歌唱パートは、全員で歌ってカバーした。歌声は会場外のファンにも広まり、1500人の大合唱となった。

 歌い終えたイトキンは手紙を取り出し「お前の分まで生きるから、お前の分まで根性見せたるから。お前も天国で精進せえよ。お前が天国から見てくれるならば、わしら一生懸命この(メンバー)6人で、音楽をやっていく」。急逝した同志に誓っていた。