美文字習得は書を楽しむことなり。「美人すぎる書道家」こと涼風花(29)が22日夜、横浜中華街のアートカフェ「東アジア文化都市2014横浜カフェ~ヨコハマサイドステージ~」で美文字講座を開催した。

 圧巻のパフォーマンスで幕が開けた。フジテレビの生野陽子アナウンサーに似た容姿の涼が太筆を手にした瞬間、書道家としてのスイッチが入った。横浜に合わせて旧字体の「濱」を8秒で描き上げた。豪快な文字に、参加者からは拍手と歓声が上がった。涼は「文字には1つ1つ、思いや意味が込められています。その気持ちを考えて、自分らしく書くことが大切です」とアドバイスした。

 その後は、「美文字講座」を開催。体を使って文字を右上がりに書くことなど美文字テクニックを伝授した。また、正月に向けて「謹賀新年」の書き方も指導し、急きょ、参加者35人の中で美文字大賞を決める「第1回美文字コンテスト」を開催した。妄想キャリブレーションの星野にぁやキャンディスンも参加した。大賞は一般女性が選ばれ、2人はホワイトボードに謹賀新年を披露した。星野は「意識して書くだけで文字は変わるんだなと思いました。年賀状はぜひ、手書きで初挑戦したいです」。キャンは「丸文字になっている自分が嫌でした。今日をきっかけにしっかりとした美文字を書きたいです」と話した。

 ホワイトボードに3人の「謹賀新年」を並べると差は歴然だが、涼は「2人も味のある文字です」と真剣な表情でたたえた。美文字を書くコツは「書を楽しみながら、良い文字をまねすることが一番の近道です」と説明。インターネットの普及により文字を書く機会が激減しているが、「『ありがとう』の5文字を手書きで書くだけで気持ちの伝わり方は全く違う。こういう時代だからこそ、書の力を多くの人に知ってもらいたいです」と語った。

 栃木県日光市出身。7歳で書道を始め、14歳で書道師範資格、硬筆資格を取得した。22歳で上京し、「美人すぎる書道家」としてメディアに取り上げられた。現在は講師のほか、企業イベントや商品ロゴなどを手掛けている。今月発売した涼プロデュースの筆ペン「ふで和み」は品薄状態になるほど好評を得ている。多い日で10時間以上、書を研究し、将来はNHK大河ドラマの題字を書くことを目標としている。

 東アジア文化都市は今年1月から11月まで横浜市、中国・泉州市、韓国・光州広域市で行われている文化交流事業。ヨコハマサイドステージは8月16日に同事業の一環で「食とアート」を通じて、日中韓の相互理解を図ることを目的に開業した。今月24日には、でんぱ組.incのリーダー、相沢梨紗がプロデュースするハロウィーンカフェ「乙女病」が期間限定でオープンする。相沢は同日夜、来店し、スタッフと一緒に準備に追われていた。