声優寿美菜子(23)と漫画家桂正和氏(51)が6日、都内で行われた映画「小野寺の弟・小野寺の姉」(西田征史監督、25日公開)トークイベントに参加した。

 西田監督が脚本を担当し、映画化された人気アニメ「TIGER&BUNNY」(タイバニ)で、桂氏がキャラクター原案、寿が人気キャラ「ブルーローズ」を演じ、3人は親交が深い。

 寿は西田監督から出演オファーを受け、また桂氏は同監督が実写映画を初監督することを聞き、出演を熱望し実現したという。寿は、向井理(32)とダブル主演の片桐はいり(51)の、恋のライバルを演じた。また桂氏は、西田監督が「0・9秒…1秒もない」と言うほど一瞬だけ出演した。同氏は「初映像監督とは思えないクオリティーの高さ。何本も撮ったような安定感」と絶賛した。

 寿は同居する姉弟の日常を描いた作品について、「見させてもらって、こんな温かい映画があったのか」と言い、笑みを浮かべた。寿にも4歳上の兄がいるが「仲がいいんです。兄が今年、結婚することになり、自分のアルバムを作った時に1曲、兄のおめでとうソングを作りました」と明かした。

 西田監督は、寿を撮影終了3日後に再度、呼び出して撮影し直したことを明かした。「(撮影後に)花束を渡して、握手までしたんですが…。撮影当日に、台本で書いたのと角度を変えて、別方向の芝居をしてほしいと変えました。その後、3日間『あれ、正しかったのか?』と眠れなくなり、『やっぱり、台本(通り)だろ!!』と思い、お願いして撮影しました」。寿は「ビックリしました。180度、違う感じだったので。完成するまで、不安になって…(完成した作品を)見て、落ち着きました」と苦笑した。

 この日は「タイバニ」のファンと見られる観客が多く、客席は沸いた。西田監督は「『タイバニ』から、バディものの血が流れ出した。人間の距離感に興味がある。2人の距離感が、物語が進む中で縮まる作品が好き。『タイバニ』は王道(の物語)をやりました。今回は家族だから近い、故の(人間の)距離を書きました」と見どころを語った。