来年、120周年を迎える松竹のラインアップ発表が17日、都内で行われた。その席上で山田洋次監督(83)の新作「母と暮せば」(15年12月12日公開)の公開と、主演の女優吉永小百合(69)嵐の二宮和也(31)黒木華(24)が発表された。

 山田監督は「僕は50年を超える年月、たくさんの映画を作ってきました。こういう企画にめぐりあえるのは不思議な縁…幸運、運命のようなものを感じています」とあいさつした。

 舞台は1948年8月の長崎で、吉永は原爆で息子を亡くした助産婦を演じる。10年「母べえ」以来の山田組参加となる吉永は「山田組、山田学校に帰ってくることが出来て、とてもとてもうれしいです」と笑みを浮かべた。

 山田組初参加の二宮は、吉永演じる母の亡くなった息子を演じる。「すごく緊張しています」と2回繰り返した上で「映画の中にいるおふたり(山田監督と吉永)が目の前に飛び出した感覚」と独特な言い回しで思いを語った。

 「小さいおうち」に続く山田組参加となる黒木は、二宮演じる医学生の恋人を演じる。「こんなにすてきな役者さんと、山田組で一緒に出来て幸せ」と喜んだ。

 「母と暮せば」は、劇作家の故井上ひさしさんが広島をテーマにした戯曲「父と暮せば」のほかに沖縄と長崎をテーマにした「戦後命の3部作」ともいうべき作品を晩年の課題にしており、三女麻矢さんが映画を製作したいという思いを持っていたことを受け、山田監督がその遺志を継いだ作品となる。