2度の大病を克服した演歌歌手宮路オサム(61)が、完全復活宣言した。7日、病気回復に御利益があるとされる東京・豊島区の高岩寺でライブを実施。94年に胃の3分の2を摘出したのに続き、06年4月に膵臓(すいぞう)の2分の1を摘出したことを打ち明けた。「医者には『もう歌えないかも』と言われて頭の中は真っ白。歌うことしか知らない人生でしたから」。手術は無事に成功。「自分がファンや家族に支えられていると大病をして初めて分かった。恩返しのためにも、長く歌っていきたい」と生涯現役を誓った。

 2度目の手術を終えてからは、40年間、毎日浴びるように飲んでいた酒を一切断った。そして取り組んだ曲が「風来ながれ唄」だ。人の情けに感謝の気持ちを伝える詞で、97年発売の同曲をリメークした。「当時は職業的に歌っていたが今は心に染みる」。歌唱では約200人のお年寄りたちが「オサムちゃ~ん」コールと手拍子で盛り上げた。「若けりゃ良いっていうもんじゃない。賞味期限ギリギリがおいしい食べ物もあるでしょ。お互いに頑張ろうぜ」。ミリオンヒット4曲を持つベテランの団塊オヤジが復活ののろしを上げた。