俳優田村正和(64)が約10年ぶりにテレビ時代劇に出演する。テレビ朝日系で年内放送予定のドラマスペシャル「忠臣蔵・音無しの剣(仮題)」で、98年の同局「眠狂四郎・田村正和時代劇スペシャル」以来の時代劇となる。

 田村が演じるのはある幕閣の血を受け継ぐ浪人で、架空の人物、結城慶之助。赤穂浪士・堀部安兵衛の知り合いで、赤穂浪士に武具を調達して支援する成田屋清兵衛(中村雅俊)の妻志保(和久井映見)と再会する。結城は志保の元恋人で、1度だけ恋した女性のために力を貸す。

 田村は「忠臣蔵といえば討ち入りですけど、成功の陰で、もしかしたらこんなことが起こっているんじゃないかというドラマ。男の美学が詰め込まれているラブストーリーで、まさに映画『カサブランカ』を思わせる作品」と張り切っている。30年前、テレビ朝日開局20周年記念番組「赤穂浪士」にも、田村は架空の人物、堀田隼人役で出演。吉良にも赤穂にも属さない、ニヒルな浪人を演じた。代表作の眠狂四郎も加え、陰のある武士をはまり役としている。

 ほかに堀部安兵衛を原田龍二、徳川綱吉を小林稔侍、柳沢吉保を西村雅彦が演じる。