オダギリジョー(34)が渡辺謙(50)や大滝秀治(84)ら名優の教師を演じる。オダギリがTBS系ドラマ特別企画「塀の中の中学校」(今秋放送予定)に主演し、刑務所内にある公立中学校の教師役に起用されたことが29日、分かった。

 ドラマは日本で唯一刑務所の中にある長野・松本少年刑務所内の公立中学校「旭町中学校桐分校」が舞台。実在する同校を舞台に、1年間にわたる教師と生徒の交流を通じ、生きることや学ぶ意義を描く。大相撲の横綱審議委員会の任期を1月で終えた内館牧子氏が3年ぶりに脚本を手掛け、男ばかりの重厚な人間ドラマに仕上げた。このほど、松本少年刑務所内でも特別にロケが許可され、オダギリらが撮影に臨んだ。

 桐分校の生徒は、全国の刑務所から厳しい選考を経て入学認定会議で認められた受刑者。渡辺、大滝、すまけい、千原せいじ、染谷将太が生徒を演じ、オダギリは20~70代の生徒を持つことになる。オダギリは「大先輩ばかり。失礼のないように、とにかく緊張感を持って臨みました」。生徒は年齢問わず全員制服に身を包む。「切ないかと思っていましたが、教壇からは教え子のようにかわいく見える瞬間がありました」。題材から緊張感あふれるシーンが多いが、教え子の制服姿には目を細めた。

 映画やドラマで大物俳優との共演が多いオダギリだが、渡辺との共演は意外にも初めて。渡辺について「思っていた以上にフレンドリーな方でしたね。演技は手を抜くことをしない姿勢だから、自分も緊張感を持って演じないと失礼だと思って臨みました」。一方、渡辺は「これまでのドラマを支えてきた、いぶし銀のような顔触れ。撮影に入ってもすてきな時間を刻んでいく現場でした。オダギリ君は難しい役を丁寧に演じている印象でした」。

 年齢は違うが、日本を代表する演技派俳優同士。それぞれいい刺激を受けたようだ。

 [2010年3月30日8時13分

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