藤原竜也(27)を輩出した舞台「身毒丸」(蜷川幸雄演出)の主演オーディションでグランプリを獲得した矢野聖人(18)が22日、都内のホリプロ本社でお披露目された。応募総数8523人の頂点に立った矢野は「頭の中が真っ白だけど、本当にうれしい」。“第2の藤原竜也”として注目されることになるが「誰かを目指すのではなく、目標にされる俳優になりたい」と抱負を語った。
オーディションは3月末に3日間かけて行われた。演出の蜷川氏からグランプリの発表を受けると「泣くキャラじゃないのに」と大粒の涙を流した。「頭の中が真っ白になって、バーッと涙が出てきた。自分でも驚きました。報告したら、お母さんも泣いて喜んでくれた」。藤原竜也からは「分からないことばかりだと思うけど、何でも聞いて」と祝福されたという。
予選では「身毒丸」の一場面を演じた。緊張でセリフが何度も飛んだ。「誰よりも一番時間がかかったと思う」。スタッフからセリフを確認しながら、何度も立て直して挑戦した。この姿勢が蜷川氏の目に留まった。同氏は「ダメ出しをするとどんどんうまくなった。前進していく適応力は得難い才能」と評価した。作品に漂う「叙情的なゆらめき」も感じたという。
矢野は3月末に都内の高校を卒業。在学中からファッション誌の読者モデルとして活躍し、芸能界入りを目指しながら飲食店アルバイトをしていた。読者モデルの写真を見たホリプロ関係者の勧めを受け、オーディションの場に立った。予選に進んだ600人の迫力に「さすがにグランプリはないだろう」と感じたが「この状況に流されたら自分に負けてしまう」と、必死に自分を落ち着かせた。
「身毒丸」は見たことがない。劇中、行水で全裸になるシーンがあるが、オーディションで初めて知った。「1秒くらい『えっ!?』と思ったけど『大丈夫です』と即答しました」。体重50キロ、体脂肪率4%とスリムだが「全裸に自信はない」と笑う。自称「マイペースで負けず嫌い」な性格。厳しさで知られる蜷川氏の演出にも「ガッツで食らい付いていきます」と話す。
好きな俳優は阿部寛と小栗旬。「調子に乗ってると思われないように」と慎重ながらも「誰かを目指すとそこで終わりになっちゃう。身毒丸も『藤原さんと比べて』見られるのはイヤ。自分が目標とされるような俳優になりたい」と、力強く語った。【梅田恵子】
[2010年4月23日7時49分
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