歌手郷ひろみが55歳の誕生日を迎えた18日、東京・日本武道館で全国ツアー55公演目となるファイナルコンサートを開催した。最後までハイテンションのステージで、駆け付けた1万3000人の観客を魅了。「2回結婚に失敗した僕でも、もう1回死ぬまで君を愛してるといえる人が欲しい」と、来年のデビュー40周年での再々婚を目標に掲げた。

 長い55秒もののカウントダウンで武道館のど真ん中に登場した郷は、爆発音とともにヒット曲「GOLDFINGER2001」を披露。一気に観客のテンションをマックスまで引き上げた。55年生まれのヒロミ・ゴーが、55歳のバースデーライブを盛大に祝った。「ゴ、ゴッ、ゴー!!」。97年以来13年ぶりとなる日本武道館ライブに、同館最多タイの1万3000人を集客。6月5日からわずか136日間で達成した、全国ツアー55公演目の千秋楽で「16歳でデビューして、皆さんといくつもの時間を確かめ合いながら、ようやく55歳という場所にたどり着きました」と、万感の思いに浸った。

 キレのあるダンスに会場の隅々まで響き渡る歌声。郷が第一線で活躍し続けるわけが、徹底した節制にあるのは有名だ。その上で最もこだわるのは、歌声。「素晴らしいセットや照明を、歌声をごまかすものにしてはいけない。未熟な自分を知ってるから、一生懸命に進化できた」。デビュー30年後に、もう1度米国で3年間のボイストレーニングに没頭した。「石の上にも3年。砂浜で10カラットのダイヤを見つけた感覚だった」と、生涯現役を貫ける歌声を手にした。

 直径10・55メートルの円形センターステージと、高さ5・5メートルまでせり上がるタワーステージに、客席に投げるサインボールの数も55個。すべてゴーづくしの記念日を過ごし「次の新たなステージに行くんだな…」。さらなる手応えをつかんだ郷は、20日発売の新曲「愛してる」の歌詞になぞらえて「2回結婚に失敗した僕でも、もう1回死ぬまで君を愛してるといえる人が欲しいなぁ。還暦?

 5年も待てない。来年のデビュー40周年には、したいねっ」。しばらく恋のうわさがなかったが「出会いは億千万の胸騒ぎでしょ」と笑った。「郷ひろみは、ハリーポッターのように終わりがない、面白い物語ですから」。郷は恋にショーにと、新たな展開を約束した。

 [2010年10月19日7時22分

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