タレントや著名人の出版記念握手会の聖地で、10月25日に閉店した東京・福家書店銀座店で31日、最後の握手会イベントが開催された。韓国の男性5人ダンスボーカルグループBIGBANGが、公式フォトブック「BIGBANG

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 TOUR2010」の出版記念イベントのために来日。99年から本格化した同所での握手会には100万人以上が訪れた。韓国の人気グループがイベントのフィナーレを飾った。

 週末の歩行者天国が、タレントファンで埋め尽くされる銀座の風物詩の1つが、終わりを告げた。午後3時半。芸能人や著名人が出版記念握手会を開催してきた福家書店の、最後のイベントは2時間で無事終了。1975年(昭50)7月開店以来、35年間営業してきた老舗書店のシャッターが静かに閉じられた。

 最後のイベントには、韓国のみならず、日本でもブレーク中のBIGBANGが招かれた。5人は「日本で最も握手会が開かれてきた書店でトリに指名されるなんて、光栄です!」と、握手会のためだけに緊急来日を決めたという。

 D-LITE(21)は「日本のファンとこんなに近くなるなんて初めて。正直恥ずかしい。ライブより緊張します」と照れた。T.O.P(22)も「握手会は、皮膚と皮膚が触れる、意義深いイベントです」。ファンだけでなく、アーティストにとっても、貴重な体験だと話した。

 BIGBANGの握手会整理券は、9月26日未明に突然発表されたにもかかわらず、2時間で1500枚が完売。ネットオークションで1枚10万円まで高騰し、急きょファンクラブ限定の500枚を追加するほどの人気だった。追っかけファンの対策で警備員も80人を動員。店内の1階には、5人の写真パネルや衣装を飾る展示コーナーを設営し、フィナーレにふさわしい盛り上がりを見せた。

 年平均200回のイベントに、平均500人が来客。同店が、本格的に握手会を催すようになった99年からの足かけ12年。約120万人が有名人の手を握るために訪れた。同店関係者は「出版不況に対応するための施策の一環」と閉店理由を説明した。今後はアパレル店に様変わりし、書籍や握手会は、近年イベント数を増やしている福家書店新宿サブナード店に集約される。【瀬津真也】

 [2010年11月1日7時58分

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