無期限謹慎中の歌舞伎俳優市川海老蔵(33)が、芸の基礎を磨き直して再出発の日に備える。21日、休演の決まった名古屋・御園座「二月大歌舞伎」(2月5~26日)の制作発表会見が同座で行われ、父団十郎(64)が出席。海老蔵の休演を謝罪し、依然「ダメージが残っている」との近況も語った。元暴走族リーダー側との示談交渉についても「一切しておりません」とした。目に涙を浮かべ、父子の絆を感じさせる場面もあった。
会見の終盤だった。それまで質問に丁寧に答えていた団十郎が声を詰まらせた。来年5月の「団菊祭」が有力視される海老蔵の復帰時期を問われると、おもむろにテレビ番組内で紹介されたという川柳を持ち出した。
団十郎
先日、徳光和夫さんがいい川柳を詠んで下さいました。『奈落から
海老蔵ならば
せり上がれ』。こういう声が多くなった時が、彼の復帰の時。今は(時期を)予見していません。
大きな目の奥には涙をためていた。芸道の厳しい師でもあるが、この時ばかりは子を思う父の顔だった。
団十郎
復帰ということはまったく白紙。考える前にまず自分のありよう、姿勢、生きざまを考えて、まわりの方が許して下されば…。その時が復帰だと。
17日には家族会議を開き、海老蔵の今後について話し合った。「初心に帰り、忙しさにかまけて怠っていた芸事を初めからやりましょう、となった」。謹慎期間を三味線、踊り、長唄、鳴り物の稽古に充てる。もう1度基礎から徹底的に鍛え直し、生まれ変わる覚悟だという。
事件については、あくまで「被害者」としてのスタンスを強調した。
団十郎
私どもは(11月)25日の事件以来、向こう様から「何か」ということは一切ございません。先方と接触して水面下で示談交渉しているといった報道もなされましたが、そのようなことは一切しておりません。
はっきりとした口調で、示談の動きを否定。酒の席で起きた事件で、逮捕された相手は元暴走族と複雑な事情もあるが、裁判も見すえて徹底して戦っていく姿勢を示した。
海老蔵の休演に伴い「二月大歌舞伎」の演目は大きく変わった。団十郎は当初の予定にあった『勧進帳』に加え、夜の部では『義経千本桜』に出演する。注目された親子共演は流れた。団十郎は海老蔵の気持ちを「本心は出たくて、出たくて仕方ないと思う」と説明。その上で「その気持ちを抑えてやり直すのが、ひとつの大きな勉強、修業だと思います」と口にした。
[2010年12月22日9時22分
紙面から]ソーシャルブックマーク




