00年に中国に渡って以来、現地のドラマや映画に出演し「中国で最も有名な日本人」といわれる俳優矢野浩二(41)が12日、かつて付き人を務めた森田健作千葉県知事(61)を、千葉県庁に表敬訪問した。

 公務の合間を縫って、知事室で矢野と面会した森田知事は「日本人が体験できないことを体験してきている。日本と中国の民間交流を担うのも、俳優としての大きな1つの使命だよ」と、矢野に民間人としての日中交流役に期待を示した。

 矢野と会うのは1年半ぶり。「想像できない苦労があったと思うが、あえて『日本に帰るな、中国に骨を埋めるつもりでやれ』」と言ってきたという。「何を言われてもやり通せ、と。私も“青春の巨匠”でやり通した。彼は根性と情熱、いい意味でのいいかげんさがある。ハリウッドなら止めたが、中国行きを聞かされた時は、止めなかった。直感で、彼の性格なら大丈夫と思った」と話した。

 高校卒業後、役者を目指し上京した矢野が、森田知事が出演していたテレビ局に押しかけ「付き人にしてください」と頼み込んだのがきっかけ。矢野には「やめた方がいいと何百回も言い、厳しく接したが、翌朝になると『おはようございます』とやって来た」。運転手時代は、車をぶつけたり、運転席で居眠りも多かったという、意外なエピソードも明かした。