デビュー35周年を迎えた松山千春(56)が、最後の野外コンサートを、故郷の北海道で開催することが24日、分かった。8月4日に北海道・河東郡音更町にある「とかちエコロジーパーク・ピクニック広場」で35周年記念ライブを行う。松山は「35年間歌ってきて、その集大成として自分を育ててくれた十勝の空の下で歌いたい」と意欲をのぞかせている。

 松山にとって、十勝での野外コンサートは78年8月に、出身地の足寄で開いて以来34年ぶりとなる。メモリアルコンサート開催の地として選んだ理由を「たくさんの人に松山千春を生み育てた十勝の空気を体感してもらいたいと思った」と話している。

 一方で「ファンを含め自分自身の年齢としても、これが最後の野外コンサートにしようと思っている」としており、歌手生活最後の野外コンサートと位置付けるつもりだ。それだけに「35年の全てを出し切って、新たなスタートを切りたい」と決意を語っている。

 コンサートは帯広市、音更町、幕別町、池田町、足寄町をはじめ十勝エコロジーパーク財団、十勝観光連盟、音更町十勝川温泉観光協会、十勝川温泉旅館組合などが実行委員会を組織して主催。同会場では初の本格的コンサート開催となるが、動員数は十勝の野外コンサートとしては最大規模の1万人を見込んでいる。会場では十勝の名産を扱うフードコートを設置する予定もあり、松山にとって地元への恩返しにもなりそうだ。地元関係者も「このコンサートがきっかけになって全国の人に十勝の魅力を知ってもらい、経済や観光の振興になれば」と期待を寄せている。

 ◆松山千春と野外コンサート

 81年、東京・日比谷野外音楽堂でのコンサートは、「長い夜」のヒット直後だったことで大きな話題に。82年、札幌・真駒内屋外競技場では5万人を集め、当時では最大規模の野外コンサート。両コンサートともアルバム化された。89年には山形県米沢市、岩手県花巻市の競技場、野球場、新潟市の小針浜海岸の特設ステージでも行った。最近は00年に、福島県磐梯町のスキー場で行っている。