歌手絢香(24)が、感極まり、泣いた。28日、東京・日本武道館で、約3年7カ月ぶりとなる全国ツアーの2日目を開催。休養していた約2年に思いをはせながら、ヒット曲「みんな空の下」など19曲を熱唱。09年11月以来、2年5カ月ぶりのライブでファンの温かさに触れ、涙を流した。

 ツアーは、14カ所19公演、過去最多の9万人を動員予定。感謝と元気を伝える復帰舞台は、8月8日横浜アリーナまで続く。

 17曲目「はじまりのとき」をマイクなしで、アカペラで歌っていた絢香が、声を詰まらせた。声が出ない。涙があふれ出た。「1度立ち止まったからこそ、今の自分がいる。感謝の思いでいっぱいです」。つらく不安だった2年間の思いを、素直にそう表現した。

 オープニングは、新たなるスタートの思いを込め、「The

 beginning」だった。夫で俳優の水嶋ヒロ(28)が客席で見守る中、“再出発”の喜びを歌に込めた。「はじまりのとき」「キミへ」でファンに感謝の思いを伝えた。そしてヒット曲「みんな空の下」で、絢香とファンの思いがピークに達した。

 09年4月、水嶋との結婚を発表すると同時に、バセドー病を患っていることを告白。同年のNHK紅白歌合戦を最後に治療に専念した。多く語らないが、精神的にも過度なストレスがたまる病気。酵素を取る食生活など日々の生活習慣から変え、嫌いな納豆も食べた。心身両面で自分と向き合い、克服し、ステージに立った。

 昨年10月、自主レーベルを設立して、活動再開を宣言してから半年。オリコン週間アルバムチャート初登場1位は、待ち続けたファンの思いが積み重なっている。「支えてくれた家族、仲間、ファン、音楽への感謝の思いを胸に、ここからまた歩いていこうと思います」。そう話すと、涙がほおを伝わった。【山田準】