【上海13日=近藤由美子】人気5人組ロックバンドFLOWとアニメソング界の新鋭、LiSA(24)が、市内のマオライブハウスで行われた「日本アニメロックコンベンション」に出演した。中国では数年前からアニメブームが到来。アニソンで人気の2組はブームに乗った日本ロックアーティストの先駆者として、本格的な中国進出を狙う。

 会場内では、日本語が飛び交った。観客は、中国で唯一、日本の音楽や文化を紹介する番組「流行櫻楽」の募集に応じた“日本ファン”。3600人から選ばれた限定800人は、現地に住む日本人ではなく、地元ファンで占められた。

 コンベンションに出演したのは、FLOW、LiSA、男女ユニットGARNiDELiA(ガルニデリア)の3組。LiSAが「ただいま!」と中国語で呼び掛けると、ファンは「お帰り~」と日本語で応えた。観客はどの曲も日本語で大合唱した。

 中国はアニメ文化が急速に浸透中だ。中国政府は15年にはアニメ・漫画産業生産額が約1000億元の市場規模に拡大すると予測。昨年末、大型アニメイベント「日本アニメフェスティバル」を上海で開催。主催には日中両国の政府機関が名を連ね、両国のアニメ産業拡大化が進行している。

 FLOWはテレビ東京系人気アニメ「NARUTO」シリーズの主題歌を過去に4回担当。欧米、アジアなどアニメフェスの常連で、中国アニメファンの間では知名度が高い。上海でのライブは初めてだが、リーダーTAKE(33)は「どの曲もよく知ってくれている」と、予想以上のファンの盛り上がりに驚いた。

 LiSAは上海でのライブは2回目。10年TBS系アニメ「Angel

 Beats!」で劇中バンドのボーカルの歌唱部分を担当。作品が海外で注目され、中国でも人気に火が付いた。中国人気を「熱いな、というのが第一印象。一緒に歌ってくれて、大好きとアピールしてくれる。日本語もできるし、ネットでもつながっている。距離を感じない」。

 2組とも中国で積極的にライブを行い、よりいっそうのファンを獲得していくつもりだ。TAKEは「ライブを大事にしているので直接会いに行きます」。LiSAも「ぜひまた会いに来ます!」。それぞれ再訪を誓っていた。

 ◆FLOW(フロウ)

 KOHSHI(35=ボーカル)KEIGO(34=ボーカル)TAKE(33=ギター)GOT’S(35=ベース)IWASAKI(42=ドラム)の5人。98年グループ結成。03年に海援隊の「贈る言葉」をカバーし、売り上げ26万枚のヒット。同年「ブラスター」でメジャーデビュー。10年アルバム「MICROCOSM」は世界44カ国で発売された。

 ◆LiSA(リサ)本名非公表。1987年(昭62)6月24日、岐阜県生まれ。10年アニメ「Angel

 Beats!」の劇中バンド「Girls

 Dead

 Monster」の2代目ボーカルとして注目された。11年4月ミニアルバム「Letters

 to

 U」でソロデビュー。血液型B。