来年4月スタートのNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(月~土曜午前8時)のヒロインが、デビュー3年目の女優能年玲奈(19)に決まったことが25日、分かった。オーディションによる選考で決まった。少女向けファッション誌の専属モデルから女優の道に進んだばかり。朝ドラは現在放送中の「梅ちゃん先生」が視聴率20%前後を記録する大人気ぶり。能年も大ブレークする可能性は十分ある。

 国民的ドラマ枠のヒロインの座を射止めた能年は、10年に映画「告白」で女優デビューしたばかり。その後、映画やドラマに数作品出演しているが、キャリアはまだ浅い。最近は、カルピスウォーターのCMで爽やかな笑顔を見せているが、今後が期待される新進女優の1人だ。

 「あまちゃん」は、宮藤官九郎氏がオリジナル脚本を手掛ける話題作。東北の田舎町を舞台に一人前の海女さんになることを目指し奮闘する女性の姿を描く。連続テレビ小説のヒロインはオーディション選考が基本だが、東京のスタジオで制作する毎年前期(4~9月)の作品は最近、「ゲゲゲの女房」の松下奈緒や、「おひさま」の井上真央、「梅ちゃん先生」の堀北真希のようにオーディションを行わずに起用が決まってきた。いずれも作品評価が高く、視聴率も好調だった。あえて今回、オーディションを実施したのは、連続テレビ小説の原点に戻りつつ、さらなる発展を目指すためのようだ。

 宮藤はこれまでヒロイン像について「見た人に元気が出てきて頑張ろうという気持ちになれる人。笑顔の素敵な子」と話していた。能年はこれまで自分の性格について「天然ではないと思うんですけど、ちょっとテンポが遅いみたい。話がかみ合わないって言われることがあります」と話していた。関係者も「周りを明るくするタイプ」と評している。中学時代は、バンドを組み、ギターを担当した活発少女だった。

 憧れる女優は新垣結衣(24)。仕事を共にした関係者からは「宮崎あおいさんに通じる魅力もある」という声も上がる。今年出席したCM会見で「どんどんのし上がっていきたいと思います。映画やドラマでたくさん主演していけたらいい」と、女優業への強い意欲を口にした。「あまちゃん」の主演は、夢に向かって踏み出す大きな1歩となりそうだ。

 ◆能年玲奈(のうねん・れな)1993年(平5)7月13日、兵庫県生まれ。06年ファッション誌「ニコラ」専属モデルをへて、10年に映画「告白」で女優デビュー。11年フジテレビ系「大切なことはすべて君が教えてくれた」や12年フジテレビ「鍵のかかった部屋」などのドラマに出演。現在はTBS系「サマーレスキュー

 ~天空の診療所~」に出演中。162センチ、血液型A。

 ▼NHK朝の連続テレビ小説

 1961年(昭36)に「娘と私」でスタート。74年「鳩子の海」まで毎年1年間の放送だったが、75年「水色の時」から前期(4~9月)と後期(10~3月)に分かれ、現在は前期は東京、後期は大阪の制作。06年度は前後期ともオーディションを行わず、宮崎あおい、藤山直美を起用。07年前期「どんど晴れ」は再びオーディションで選考。以後は題材に応じて選考方法を選択してきた。