昨年12月に終了したTBS系時代劇ドラマ「水戸黄門」が来年3月に舞台で復活することが10日、分かった。テレビと同じく里見浩太朗(75)の黄門様に、原田龍二(41)が助さんこと助三郎、合田雅吏(42)が格さんこと格之進で、福岡・博多座(3月3~20日)と大阪・新歌舞伎座(3月23~31日)で上演される。

 「水戸黄門」は69年にスタートし、11年12月まで42年続いた。放送回数は1200回を超え、最高視聴率43・7%の人気時代劇だった。里見は助さん、格さんを経て、02年から11年まで5代目黄門を演じ、原田と合田は03年から10年まで助さん、格さんを演じ、里見黄門に仕えた。番組終了後に黄門様の地元水戸市から番組再開を求める署名がTBS側に届けられるなど、「水戸黄門」復活を望む声は多かった。終了が決まった直後の会見で里見は「後ろから斬られた感じ。残念というより、痛い」と無念さをにじませたが、過去に上演している舞台版での復活に意欲を見せている。

 今回の舞台版は観客の要望を受けて、復活が決まった。博多座では舞台「101回目のプロポーズ」などに続く自主制作公演となり、関係者は「アンケートやお客様の声でも舞台版を見たいという意見が多かった。勧善懲悪の時代劇の決定版といえる『水戸黄門』は見る側にも安心感があり、舞台化を企画しました」と説明した。

 里見ら3人に野村将希が柘植の飛猿、三波豊和もよろず屋の千太とテレビと同じ役で出演。舞台版は脚本家古田求氏の書き下ろしで、長崎で暮らす美人姉妹に降りかかった事件をご老公一行が解決するストーリーとなる。美人姉妹に佐藤藍子と石川梨華、長崎奉行に田村亮のほか、大沢樹生、江藤潤、芦川よしみが出演する。おなじみのテーマソングや印籠(いんろう)場面も登場し、全国から黄門ファンが足を運びそうだ。