今年芸能生活25周年を迎えたお笑いタレント東貴博(43)が、父東八郎さん(享年52)や師匠の萩本欽一(72)ら5人の喜劇人を参考に、喜劇舞台を継承していくことを誓った。自身がプロデュースする「FIRE

 HIP’S」の5回目公演「こちら自由の丘学園~part-time

 high

 school」(8月2~4日、東京・スクエア荏原)でも、その思いを胸に舞台に立つ。

 東は芸能生活25周年の節目に決意した。父が亡くなった18歳の時、「テレビが好き」で入った芸能界。芸歴を重ねるごとに父の偉大さを知り、喜劇舞台への興味も募った。2009年(平21)に手探りで旗揚げした「FIRE-」も、今年で5回目を迎える。「八郎を忘れないためにも頑張らないと」と、父の愛した喜劇舞台を継承していくことを誓った。

 父と師匠の萩本も含めて、尊敬する5人の喜劇人がいる。残る3人は、伊東四朗(76)三宅裕司(62)と放送作家の高田文夫氏(65)だ。「よく『八郎を継げ』と言われますが、自分の中でコメディアンはすごいものすぎて、とても名乗れない」。今はただ、生まれ持った感性で5人の教えを学んでいる段階という。

 (1)八郎イズム

 強く記憶に残っているのは、八郎さんの舞台での独特の動きだ。「筋肉の柔らかさ、舞台全体を使う動きですね」。

 (2)欽ちゃんイズム

 父親の弟子だった萩本に弟子入りし、芸を学んできた。「舞台の袖を大事にする。舞台から消える前の袖に宝が眠っていると」。

 (3)伊東イズム

 「東京の軽演劇の灯を消すな」と伊東が04年に旗揚げした「伊東四朗一座」に出演。伊東を見て成長してきた。「目線と間ですね」。

 (4)三宅イズム

 三宅が座長を務める「熱海五郎一座」にもレギュラー出演中。「立ち居振る舞い。泳ぐように舞台を全て見てる」。

 (5)高田イズム

 舞台の監修を依頼し、全幅の信頼を置いている。「セリフのキレ。スピードですね」。

 最高の教材である「5大イズム」をベースに作、演出を手掛けた5回目公演は、定時制高校でのドタバタ劇が舞台。元モーニング娘。の久住小春(21)は教育実習生、はなわ(36)は指圧師、THE

 MANZAI覇者ハマカーンは不良役で出演する。東は「昔の人は『舞台をしっかりやらないと』というのがあった。三宅さんは30年やっている。自分も5大イズムを継いで、50回までは頑張りたい」と言葉に力を込めた。【山田準】

 ◆「FIRE

 HIP’S」

 和訳で「尻に火がつく」のタイトル通り、東が「いつまでもくすぶっているんじゃないよ」という思いを込め、若手芸人を集めて09年8月に旗揚げした喜劇舞台。芝居とコントの2部構成で、高田氏が監修と宣伝部長を務める。昨年まで8月、東京・北沢タウンホールで行ってきたが、5回目の今年は会場を品川区のスクエア荏原に移行。はなわ、久住小春、春香クリスティーン、アンバランス山本栄治、やまもとまさみ、ハマカーン浜谷健司・神田伸一郎、カトゥー、東の実弟の東朋宏が出演する。