感謝の大復活!

 活動を再開させたサザンオールスターズが10日、横浜・日産スタジアムで5年ぶりとなるライブを行った。08年8月に同会場で行った30周年記念公演以来のステージで、来月まで続く野外スタジアムツアーの初日。7万人が見守る中、デビュー曲「勝手にシンドバッド」から新曲「ピースとハイライト」まで32曲を披露した。歴代ヒット曲とユニークな演出で楽しませ、桑田佳祐(57)らメンバーはファンに向けた感謝の言葉を何度も口にした。

 日差しが少し和らいだ夕方、桑田らメンバー5人が登場すると、大歓声と拍手が起こった。桑田の第一声は「皆さん、ありがとう!」だった。今年でデビュー35周年。5年間の活動休止であらためて感謝の思いが強まった。ドラムス松田弘(57)は「会いたかったよ」。ベース関口和之(57)は「お元気そうで何よりです」。パーカッション野沢秀行(58)は「生きてて良かった。愛してます」。そしてキーボード原由子(56)は「ふるさとの横浜でコンサートができてうれしい」と言った。

 「灼熱のマンピー!!

 G★スポット解禁!!」と銘打った公演は、バラードの名曲「海」でしっとりと幕を開けた。デビュー曲「勝手にシンドバッド」や、10周年で発表した「みんなのうた」、25周年で歌った「涙の海で抱かれたい~SEA

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 LOVE~」など各時代を彩った名曲を惜しみなく歌った。会場は1曲ごとにイントロでどよめき、ファンは思い思いに体を揺らし数々の名曲に酔いしれた。

 演出もサザンらしさにあふれた。原由子が作詞、歌唱した新曲「人生の散歩道」ではNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のパロディー映像を流し、「みんなのうた」では桑田が客席にホースで水をかけるパフォーマンスも飛び出した。何よりのお楽しみはユーモアたっぷりの桑田節。「心を込め、魂を込めて1曲1曲、一生懸命、時に手を抜きながら演奏し歌います」「来日するポール・マッカートニーに代わって、ジョン・レノンに成り代わって演奏します」。マイクを握るたび笑いが起こった。

 昨年末に再開を決意した。今年3月下旬、新曲のレコーディングのため都内のビクタースタジオで復活の第1歩を踏み出した。復活公演はメンバーにとっても特別だった。桑田は何度か感極まった表情を見せた。「初日なもんで、どっかおどおどしながらやってまして」と緊張も隠せなかった。待ち続けてくれたファンへの感謝の気持ちでいっぱい。「今日のことを胸に刻んで頑張ります。素晴らしい夏をありがとう!」。最後に叫んだ。「大好きだよ、みんな!」。感謝の言葉を繰り返した復活ステージだった。【山田準】