人形浄瑠璃文楽の浄瑠璃語り(太夫)で人間国宝の竹本住大夫(89)が26日、東京・国立劇場小劇場の「5月文楽公演」千秋楽をもって現役を引退した。「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」終了後のセレモニーで「寂しいです。次の公演に出るような気がしますが、浄瑠璃とはきっぱり縁切って、できるかぎり後輩の指導をしたい。ええ星の下に生まれた、運のええ男です」と感謝した。人形遣いの吉田簑助が「寂しい」と言い花束を手渡すと涙するファンもいた。住大夫は約150人に見送られ、「幸せでんな。おおきにありがとう」と劇場を後にした。