女優田中麗奈(34)が魔性の女を演じることが23日、分かった。TBS系主演ドラマ「美しき罠~残花繚乱~」(来年1月8日スタート、木曜午後9時)で、悪意はないが、無意識の小悪魔性を持った女性を演じる。過去の不倫をきっかけにした愛憎劇に巻き込まれ、これに立ち向かうヒロイン。これまで明るく快活な役を演じる機会が多かったが、それを大きく覆す新境地。「自分の今までのイメージと違うので面白そう」と意気込んでいる。

 演じるのは、大企業に勤務する34歳の女性。常務と不倫の恋に陥り、愛人となったが、常務の妻から見合いを勧められ、青年実業家と出会う。ところが青年は常務の妻に思いを寄せており、4人は複雑な関係にあった。愛憎劇の中で、主人公がさまざまな思惑に立ち向かっていく姿を描く。栗原美和子プロデューサーは主人公の設定について「本人に悪意はないが、無意識の小悪魔性を持った魔性の女。決して計算ではないのに魔性が潜在している」と説明する。田中の起用については「かれんでかわいらしく、はかないイメージは大事にしながら、大人の色気、迫力といったものをプラスしたい」と話している。

 田中は「意外な題材の話をいただけた」と出演依頼を受けた時を振り返り「日常とのギャップが新鮮でやってみたいと思った」と話す。常務の妻からの嫌がらせに立ち向かっていくが、「私だったら、背を向けて走って逃げたい」。気持ちと裏腹のセリフも数々出てくる。「女性ならではの心理の駆け引きが面白いですね」。経験のない設定の役柄となるが、「不倫に悩んだり、不倫の葛藤と戦ったりする女性の気持ちに寄り添いたい」と気持ちを近づけて演じるつもりだ。キスシーンなど濃厚なラブシーンもあり、女優として新たな一面が見られそうだ。

 ◆田中麗奈(たなか・れな)1980年(昭55)5月22日、福岡県生まれ。98年に飲料水「なっちゃん」の初代CMキャラクター。99年「がんばっていきまっしょい」で映画デビュー。「はつ恋」「夕凪の街

 桜の国」「山桜」「夢売るふたり」などの映画に出演。08年TBS系「猟奇的な彼女」で連続ドラマに初めて本格出演。12年NHK大河ドラマ「平清盛」に出演。158センチ。血液型A。

 ◆ドラマ「美しき罠~残花繚乱」

 原作は作家岡部えつ氏の「残花繚乱」。愛、報復、嫉妬、苦悩などの感情を生々しく描く。リカ(田中麗奈)と荘太(村上弘明)の不倫関係に嫌悪感を抱いていた柏木の妻美津子(若村麻由美)が、リカに荘太の親友の弟落合圭一(青柳翔)を紹介して見合いを設定するが、圭一は美津子にひそかに恋愛感情を抱いていた。栗原プロデューサーは「それぞれの正義があり、女の幸せは何か考えさせるドラマ」。