NHK「ニュースウオッチ9」(月~金曜午後9時)の大越健介キャスター(53)が、番組を3月末で降板する人事案が浮上していることが21日、分かった。関係者によると、交代の可能性は高いという。キャスターの人事は、例年1月末までに検討、決定され、2月に発表されている。

 大越キャスターの降板は21日に一部夕刊紙、今日22日発売の週刊新潮が報じている。いずれも、3月末で番組を降板することが内々で決定したと伝えている。関係者は日刊スポーツの取材に、「1人の人間がずっと続けるわけにはいかないだろう。交代の可能性は高い。感触では9割くらいか」と話す。一方で、別の関係者は「交代の可能性が高いと聞くが正式に決定はしていない。人気と実力がある人物。どうなるかは流動的だ」と言う。

 この日、NHK定例放送総局長会見でも、大越キャスターの降板報道について質問が出た。板野裕爾放送総局長は、降板の可能性に触れることはなく、「(続投も含めて)現在選考しているところ。未定です。来月初めに発表する」と答えるにとどめた。

 大越キャスターは、的確なコメントを交えながら、番組を落ち着いた様子で進行する姿が印象的。東大野球部出身のスポーツマンでもあり、さわやかで、親しみやすい人柄が画面を通じて伝わっており、視聴者からの人気も高い。

 大越キャスターは10年3月末から同番組でメーンを務め、今年3月で5年となる。「ニュースウオッチ9」の最近のキャスターは、2年前後で交代している。同じ放送枠で「ニュースセンター9時」のキャスターを木村太郎氏(76)らが6年間務めたことがあったが、大越キャスターはこれに次ぐ長さとなっていた。5年という節目もあり、次の世代にバトンタッチする交代人事案が浮上したとみられる。

 NHKは例年、新年度から各番組を担当するキャスターやアナウンサーを1月末までに検討、決定し、2月初旬に発表してきた。大越キャスターについても、月末までに検討され、最終決定される見通しだ。

 ◆大越健介(おおこし・けんすけ)1961年(昭36)8月25日、新潟県生まれ。新潟高校時代は野球部エースとして79年春の県大会準優勝、夏はベスト8。東大でもエースとして東京6大学リーグで8勝27敗。3年時に国立大から初めて日米大学野球の日本代表に選出された。85年東大文学部卒業後、NHK入局。岡山放送局に配属され記者として県警、県政を担当。89年、報道局政治部に異動。05年からワシントン特派員、07年から同支局長。10年3月から「ニュースウオッチ9」キャスター。