俳優山本太郎(36)と高岡蒼甫(28)が、若松孝二監督(75)の新作映画「千年の愉楽」(来年公開)で共演することが27日、分かった。山本は5月に反原発を、高岡は7月に韓流ブーム批判などをツイッターで訴えたことから騒動に発展、それまで所属していた事務所を辞めている。

 騒動は続いているが、高岡は10月に新事務所所属を発表したばかり。山本は脱原発のデモなどに積極的に参加を続けるなどしている。しかし、俳優としての仕事は、騒動前に比べて激減。山本については「収入が10分の1になった」と話すほどだ。

 その状況でのキャスティングについて、若松監督は日刊スポーツの取材に「(騒動の)うわさは聞いているが、関心はない」とし、演技力などで2人がキャストに選ばれたことを強調した。一方で「俳優をダメにしてしまっている」と、過熱した騒動を批判。個性派で演技に定評のある2人を心配して、救いの手を差し伸べたようだ。

 原作は、作家中上健次氏の同名短編。和歌山を舞台にしており、若者たちの享楽や閉塞(へいそく)感を描いた。主演は寺島しのぶ。高岡は地元を仕切る不良グループの一員を演じる。山本の役どころは明らかになっていないが、2人が絡む場面はないという。ほかに高良健吾らが出演。11月4日に都内でクランクインし、和歌山県などでロケされる。11月いっぱいで撮了する予定。

 関係者によると、この2人に交流はないが、山本は高岡の発言が話題になった際、ツイッターに「韓国のエンタメは魅力的だからこそ視聴率が取れる。日本の製作者に対して、そこに頼らず、もっと自分たちで頑張って作って行きましょう、という彼なりのメッセージ」と書き込んだことがあった。